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研究者たちの紹介

生田歯科医院

生田 図南 院長 歯科医師

1955年、熊本県生まれ。1981年、九州歯科大学卒業。1984年、生田歯科医院を開業。1994年頃から院内感染防止対策について講演を開始。1998年頃から歯周内科治療についての講演を開始。著書に『歯周病は薬で治る!!』(現代書林)、『歯周病の犯人はカビだった!』(ベストセラーズ/共著)などがある。歯科専門雑誌への執筆、歯科治療に関する特許多数。

熊本県天草市河浦町白木河内220-1
TEL 0969-77-0039
公式サイト こちらから

歯も空間も環境が大事。
常識に縛られなければ、新しいものが見えてくる

「環境が人をつくる」とは、もちろん住宅にも当てはまることでしょう。
体に悪い建材を徹底して使わないことで住み手の体を整え、人生を前向きに変えていく。私もそんな家に住んでみたいですね。

歯科医は、未来の子どもたちを直接的に救える立場にある

【歯槽膿漏が7日で改善歯周病は薬で治る!】
 これまで、歯槽膿漏(歯周病)は非常に治しづらい病気だと思われてきました。
 実際、歯槽膿漏治療に対して患者さんが抱くイメ―ジをあげてみると、「なかなか治らない」「時間がかかる」「歯磨きを長時間しなければならない」「歯石を取ると歯がしみる」「外科手術で歯茎を切られてしまう」など、患者さんにとって自ら進んで受けたい治療ではありませんでした。そのせいか、今も口臭や出血、うみ、歯がグラグラするなど、症状が重くなってから来院される方が多いのが特徴です。同様に、私たち歯科医にとっても、歯槽膿漏治療は実に困難なものでした。以前は、歯石除去とていねいなブラッシング以外、有効な治療法はなかったと言っても過言ではありません。しかも、ブラッシングには個人差があり、磨き方を指導してもなかなか成果が上がらず、歯科医として歯がゆい思いをしてきたことも事実です。
 そのため、何か痛くなく、早く治り、患者さんに負担の少ない楽な治療法はないものかと、長年にわたって探し続け、試行錯誤を重ねるうちにようやくたどり着いたのが、「内科的歯周病治療」です。
 あるとき、歯槽膿漏とは、カンジタ菌というカビと歯周病の原因菌である嫌気性菌との混合感染であることがわかりました。カンジタ菌と嫌気性菌が歯茎に侵入すると、共生しあいながらともに歯茎を破壊していきます。その結果、最終的には歯槽骨が溶け、歯が根こそぎ抜けるという事態を引き起こすのです。
 しかし、感染症である以上、風邪(ウイルス感染)などと同じように薬で諸症状は改善されるはずです。そこで、カビ取り歯磨きと歯周病菌を撃退する抗生物質を内服してもらったところ、重度の歯槽膿漏が一週間ほどで劇的に改善。顕微鏡で見ても、治療前にうじゃうじゃいたカンジタ菌と歯周病菌が驚くほど激減していました。
 それも単にはれや出血が治まっただけではありません。歯のグラグラが止まり、歯槽膿漏が再生していく症例もたびたび確認できたのです。
 その後、症例を増やし、確信をもってこの治療法を発表しました。今では全国約2千カ所の歯科医院で内科的治療を受けることができます。

【お口ポカンは要注意 鼻呼吸で病気は防げる】
 歯周病に限らず、歯の健康を維持するためには、しっかり歯磨きをすることはもちろん、噛み合わせをよくし、寝ている間も口をしっかり閉じることが大切です。
 ところが、最近、日常的にポカンと口を開けっ放しにしているお子さんを多く見かけます。大きな原因のひとつは、昔の子どもに比べてあごが小さいことですが、小さな口腔内に舌が収まりきらず、のどのほうに下がって気道がふさがり、口を開けてしまうパターンと、あごの発育の悪さから鼻がつまりやすくなり、鼻呼吸ができずに口を開けてしまうパターンがあります。
 いずれにしても、口を閉じられる環境がないと、身体的にさまざまな問題を引き起こしています。
 口呼吸による弊害は、寝ている間の無呼吸症をはじめ、歯並びや虫歯への影響、口からバイ菌が入りやすくなる、姿勢が悪くなる、集中力が低下するなど、数え上げればきりがありません。
 しかし、1歳まで「あること」をすれば、口を閉じる習慣をつけることができます。それは、おっぱいをちゃんと吸わせることです。
 それがなぜ大切なのかというと、おっぱいをしっかり吸うことによって、上あごが前方成長するからです。上あごが少し前に突き出るようなイメージですね。すると、自然と下あごが上あごについていくように発育し、口腔内が広くなり、そうなることで舌が収まりやすくなる。また、鼻呼吸もしやすくなるので、口がちゃんと閉じるのです。
 実は、赤ちゃん自身も鼻呼吸をするために努力しています。指しゃぶりもそのひとつ。発達過程における生理的な行為と見られていますが、あの動作には上あごを成長させるという大事な意味もあるのです。そして、鼻呼吸ができるようになれば、指しゃぶりをしなくなります。ですから、親御さんはあまり気にしすぎないようにしてください。
 しっかり鼻呼吸ができるようになると、きれいな酸素がたくさん入ってきますから、良質な睡眠がとれ、小学5,6年生になれば身長もぐーっと伸びてきます。しかも、口腔内が広くなれば、歯並びもよくなります。口の中は、お子さんの成長にも大きくかかわっているのです。
【菌を持ち込ませない、漂わせない】
 私は歯科医ですが、口の中の除菌や口腔再生だけでなく、院内環境を整えることが大事だと思い、20年以上前から院内感染防止対策にも取り組んできました。
 当院では、患者さん一人ひとりに使用するすべての器具を完全に滅菌し、診療用のグローブ、エプロン、コップなどはすべて患者さんごとに使い捨てにしています。また、診療後にはユニットまわり(患者さんが座る椅子)を拭き上げ、さらにラッピングを行って
います。今でこそ、エプロンやコップなどの使い捨ては当たり前になりましたが、当時は滅菌という考え方もありませんでしたし、「口の中をグローブで触るなんて患者さんに失礼だ」と言われる時代でした。
 しかし、HIV感染症(エイズ)やC型肝炎ウイルスの感染などがニュースで取り上げられるようになり、いかに注意深く仕事をしていても、万が一、院内で患者さんから患者さんへ病が移ったらどう責任を取ればいいのかと、真剣に悩みました。そして、「自分がもし患者であるならどういうクリニックで治療を受けたいか」という視点で、院内感染の防止を徹底することにしました。
 特にC型肝炎ウイルスは血液を介して感染します。キーンと音がするタービンエンジンは血液を吸い込むため、もっとも感染がおきやすいと言われています。そうした器具は超音波洗浄で菌や汚れを落とし、さらに滅菌器にかけます。それだけでなく、夜は消毒滅菌室に紫外線をかけ、二重、三重の院内感染防止対策を行っています。
 院内感染防止対策を実施する過程で、口の中に入るものすべてを滅菌することは非常に大変でお金もかかります。しかし、滅菌しないなら医師をやめる覚悟で始めたのです。
 今は、クリニック内の天井にも紫外線を這わせ、24時間体制で菌を院内に持ち込ませない、花粉なども吸引する大型の空気清浄機を導入しています。また、歯を削る機械から出る粉塵を拡散させないため、建物の構造自体も工夫しています。
 当クリニックには全国から大勢の医師が見学にいらっしゃるのですが、歯科医臭さのない、正常な空気にみなさん驚かれます。こうした院内感染防止対策を多くの人に伝えることも私の役目だと思っています。

【環境が人をつくる。それは住宅も同じ】
 歯科医なりたての頃の私は、患者さんの歯をどれだけきれいに削るか、どれだけ食べることができる義歯をつくれるかに目標を置いていました。
 しかし、口の中の環境をいかに整えるか、院内の環境をいかによくするかを目指すようになってからは、歯をいじらずにかめるようにするほうが患者さん、医師、双方にとってよほど気持ちいい、やさしい治療であると思えるようになりました。
 おのずと予防医療に力を入れるようになり、今では患者さんも治療より定期健診(メンテナンス)で来院される方のほうが多いくらいです。
 先ほども申し上げましたが、口腔内の環境をよくすることで、良質な睡眠がとれるようになり、それによって、体の疲労回復や成長をも促すことができる。歯科とは、突き詰めて言えば人の人生を左右する職業であるとあらためて感じています。
 実際に、口腔内環境がよくなると、歯磨きを嫌がっていた人も進んで磨くようになり、病気が再発しにくくなりました。それは「健康に目覚めた」ということ。環境の変化によって意識の変容が起こったのです。
 「環境が人をつくる」とは、もちろん住宅にも当てはまることでしょう。体に悪い建材を徹底して使わないことで住み手の体を整え、人生を前向きに変えていく。私もそんな家に住んでみたいですね。

歯科医は、未来の子どもたちを直接的に救える立場にある

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